透明ピエゾフィルムで
圧力検知方式を実現
タッチパネルの誤作動を防止し
視認性向上に寄与する
透明なピエゾフィルム
クレハが開発した光学的に透明なピエゾフィルムを用いたタッチパネルの誤作動を防止し、視認性向上に寄与する仕組みを紹介します。
目次
そもそもピエゾフィルムとは
ピエゾフィルムはフィルムそのものの分子構造に顕著な圧電・焦電性を示す、クレハが世界で始めて工業化に成功した高分子強誘電材料です。PVDF(ポリフッ化ビニリデン)をフィルム化して、引き伸ばし、高電圧をかけることで製造されます。
従来ピエゾフィルムは製造技術上の理由から透明性が乏しく光学用途(タッチパネルなど)には利用されてきませんでしたが、クレハはナケレバ・ツクレバの精神で新規用途開発を継続し、透明性を向上したピエゾフィルムの開発に成功しました。
透明なピエゾフィルムをタッチパネルに導入するメリット
ピエゾフィルムを透明にすることで、ピエゾフィルムのユニークな特性をタッチパネルに応用できるようになります。ここではそのメリットについてご紹介します。
タッチパネルの誤作動防止に寄与
ピエゾフィルムはもともと圧力が加わると電気を発する特性があります。
この特性をタッチパネルに適用することで、タッチパネルは表面の水・油・埃の影響を受け難くなり、よりタッチ操作のみに反応するようになります。
従ってタッチパネルの予期せぬ誤作動を防ぐことが可能になります。
タッチパネルの視認性向上に寄与
透明なピエゾフィルムをタッチパネルに組み込むと、タッチパネルの視認性向上に寄与します。
透明ピエゾフィルムを使用することで、タッチパネルの構成を抵抗膜方式よりもシンプルにすることができ、ディスプレイからの光をよりダイレクトに透過できるようになることが視認性の向上に寄与する理由です。
一般的な抵抗膜方式のタッチパネルではタッチ圧力を感知するために機械的構造(エアギャップ)が必要となります。しかし、エアギャップとドットスペーサーは画面のぼやけや滲みの原因となることがあります。加えて、画面の傷は視認性を低下させる原因となりますが、抵抗膜方式のタッチパネルの場合傷防止のために厚いカバーガラスを採用するとタッチ操作に反応しないことも有ります。
一方、光学的に透明なピエゾフィルムをタッチパネルに用いると圧力センサーをカバーガラスの下に貼合するシンプルな配置ができるようになるため抵抗膜方式では必須の機械的構造(エアギャップ)を省略することができます。
これにより、
- エアギャップやドットスペーサーが無いためディスプレイの光透過率が上がり、画面がクリアになる
- センサーがダイレクトに圧力を感知できるようになり、傷に強く厚いカバーガラスを採用してもタッチ操作に反応する
といった効果が見込めるため、抵抗膜方式よりも高い視認性が実現できます。また、エアギャップは故障の原因にもなるのでこれを省略できればタッチパネルの耐久性向上にも繋がります。
ピエゾフィルムのその他の特長
製造したいタッチパネルの大きさに合わせてサイズ調整可能
フィルムのため製造したいタッチパネルの大きさに即したサイズ調整が簡単にできます。
提供可能サイズはこちらからお問い合わせください。
タッチパネルセンサー組み立て時に特殊な操作は不要
ユニークな性能を持つピエゾフィルムですが、こちらを用いてセンサーを組み立てる時は各層の貼合で完成します。従来の静電容量方式のタッチパネルと同じ方法になります。
透明ピエゾフィルムの用途
以下のような用途に適用可能性があります。
- タッチパネルディスプレイ(産業機械,医療現場,スマートフォン,タブレット,ノートパソコン,家電,車載,マリンなど)
- 透明センサー(産業機械,車載,家電など)
- アクチュエーター(スピーカー,ARVRなど)
タッチパネルディスプレイに用いる時は、製造現場や建設機械、医療現場など少しの誤作動も許容されない場面で特に活躍が期待されます。
まとめ・問い合わせ先
ピエゾフィルムを透明にすることで、ピエゾフィルムのユニークな特性をタッチパネルに応用でき、透明ピエゾフィルムのタッチパネルの特性によりタッチパネルの誤作動防止と視認性向上が期待できることをご紹介しました。透明ピエゾフィルムを用いたタッチパネル技術でクレハはお客様のご要望の実現に伴走します。
どうぞお気軽にお問い合わせ・資料請求・お電話ください。専門の技術営業が真摯に対応いたします。