化学品メーカーA社 技術開発部
開発品の高純度ファインケミカルに、
触媒から発生したダストが…
高強度、高純度で低ダストな活性炭が見つかった!
背景
化学製品全般の研究開発・製造を行っているA社。中でも高純度が要求されるファインケミカルの開発に力を入れていた。
課題
触媒に使っていたヤシ殻活性炭から不純物が漏れ出して、開発品に問題が…
技術開発部では開発過程にあったファインケミカル製品のうち、特に高純度の精製が必要な製品から、規定値通りのパフォーマンスが出ていないという問題が発生していました。すべての工程を調査したところ、前駆体に不純物が紛れ込んでいることがわかりました。さらにその原因究明を行った結果、反応の工程で使用した触媒に問題があることを突き止めたのです。
調査チームの責任者S氏は、当時の様子を次のように語りました。
「反応工程を細かく調べたところ、活性炭由来のダストが発生し、反応を阻害していることが要因でした。触媒には、ヤシ殻活性炭に貴金属を担持した特殊なものを使用していました。更に、触媒の耐久性試験を実施したところ劣化のスピードが想定よりも速く、すぐにボロボロになってしまっていました。」
チームは、触媒の交換サイクルを早められないかと検討してみました。しかし、貴金属を担持した触媒は単価が高く、交換にも手間がかかるため、すぐには踏み切れませんでした。
他に何か良い方法はないかと検討を続けましたが、今までにこのような経験がなかったこともあり、対策案はなかなか見つかりませんでした。
課題のポイント
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触媒に使っていたヤシ殻活性炭からダストが発生し、規定通りのパフォーマンスが出せない
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触媒は耐久性が乏しく、想定以上に劣化が速かった
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触媒の交換サイクルを早める検討をするも、貴金属を担持したものは高額であるため、すぐに実施には踏み切れなかった