電池材料ストーリー
パソコンやスマートフォンの電源、電気自動車やハイブリッド車の動力源、太陽光や風力発電の蓄電池・・・エネルギーの有効利用、低炭素社会に向けて、ますます需要が高まるリチウムイオン電池。
クレハはリチウムイオン電池に必要不可欠な部材を取り扱っています。
リチウムイオン電池用バインダー ~フッ化ビニリデン樹脂KFポリマー~
リチウムイオン電池用のバインダーとは・・・・。
リチウムイオン電池におけるバインダーの役割は「電極活物質を接着する」ことです。活物質同士の結合、および負極では活物質である炭素材料などと集電体である銅箔を、正極では金属酸化物などと集電体であるアルミ箔とを結合することです。
リチウムイオン電池は、1991年に世界で初めて実用化されました。当社の<KFポリマー>はその際にバインダーとして採用になり、以来、リチウムイオン電池用バインダーのメジャーブランドとして世界中で使用されており、市場で高いシェアを持っています。
何故、KFポリマー?
<KFポリマー>は1970年に日本で初めてクレハが工業生産を開始したポリフッ化ビニリデンです。
フッ素樹脂としての優れた性能と汎用樹脂並みの成型加工性を持つバランスのとれたエンジニアリングプラスチックです。
高い耐熱性・耐食性・耐候性を生かし、化学プラントのバルブ・継手などの成型品、太陽電池用保護フィルム、水処理膜など、さまざまな産業で採用されています。
そして、当社が長年培ったポリマーの高重合化技術や変性技術により、「電極製造における加工性」「接着剤としての接着性・結着性」「電気化学的な安定性」「リチウムイオンの透過性」に優れているという特性が備わり、「電池としての長期信頼性」に優れた素材となりました。
リチウムイオン電池が世の中に登場してから今日まで、ずっと使われ続けているのは、当社の<KFポリマー>のこうした性能がリチウムイオン電池の性能とピッタリ合致しているからなのです。