熱膨張性マイクロカプセルクレハマイクロスフェアー
クレハマイクロスフェアーとは?
- クレハマイクロスフェアーは、熱膨張性マイクロカプセルと呼ばれる微粒子タイプの発泡剤です。
- アクリル系樹脂の内部に発泡成分(炭化水素)を内包しており、加熱により外殻樹脂が軟化するとともに、発泡成分の圧力が上昇し、急激に体積膨張が起こります。
- 発泡開始温度(Tstart)より徐々に発泡を開始し、最大発泡温度(Tmax)で膨張のピークを迎えますが、その後加熱を続けると、発泡成分が抜けることにより収縮していきます。
- クレハマイクロスフェアーは、汎用プラスチックからエンプラまでの加工温度帯に適したグレードをラインナップしており、特に高温領域でも発泡可能なグレードを有している点が特徴です。
- 自動車部品(天井材、グラスランチャンネル、ウェザーストリップ)、靴底、発泡インキ、壁紙、熱はく離テープ、人工皮革、3Dプリンターなど幅広い用途に応用されています。
クレハマイクロスフェアーの特徴
- クレハマイクロスフェアーは、加熱により50~170倍に体積変化が起こります。
- そのため、軽量化、成形性改善 (ヒケ防止)、断熱性、吸音性などの効果を付与することが期待されます。
- 微粒子タイプの発泡剤のため、比重のコントロールが容易であること、独立気泡が保持されること、気泡径が小さいこと、発泡箇所の偏在が起きにくいことが特徴です。
- また、微粒子であることから、樹脂だけでなく、繊維や塗料など、ガス透過性の高い素材において発泡可能であることも特徴の1つです。
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発泡前
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発泡後
クレハマイクロスフェアーの発泡
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(A)樹脂中での発泡
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(B)塗料の発泡
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(C)繊維の発泡
主要グレード紹介
シリーズ | グレード | 粒子径 (μm) |
発泡後の粒子径1) (μm) |
発泡倍率 | 発泡開始温度 (℃) |
最大発泡温度 (℃) |
---|---|---|---|---|---|---|
H | H750 | 15-25 | 60-100 | 50-65 | 120-160 | 160-170 |
H850 | 30-45 | 155-225 | 125-155 | 120-135 | 170-185 | |
H880 | 20-35 | 85-135 | 55-70 | 135-160 | 175-185 | |
S | S2340 | 15-25 | 70-140 | 100-170 | 170-190 | 230-245 |
S2640 | 15-25 | 70-140 | 100-170 | 190-215 | 250-265 | |
特殊 | H1100-S (熱処理前) |
40-55 | - | - | 170-225 | - |
H1100-S (熱処理後) |
145-210 | 45-702) | 145-160 | 175-195 |
1) 発泡倍率から計算
2) 熱処理後(150℃, 5min)
- クレハマイクロスフェアーは、加工温度に応じて、H, S, 特殊の3シリーズをご用意しております。
- Hシリーズは160~190℃での発泡に適しています。
- Sシリーズは190℃以上の高温域での発泡が可能であり、エンプラやエラストマーの発泡成形に適しています。
- 発泡方法に特徴があるものを特殊シリーズとしています。
注意事項
- 本ホームページに記載されている数値は、当社の測定結果に基づく代表値であり、保証値ではありません。
- ご使用にあたっては、目的、用途に対応する法規制、製品の安全性等の確認を行ってください。
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