資源循環、廃棄物の適正管理・処理
生産活動にともない事業所から排出される廃棄物については、省資源化や環境負荷低減を十分に意識して、発生抑制や再資源化を推進して最終(埋立)処分量の削減に努める一方、法令遵守のもと、廃棄物の適正管理と処理に努めています。
目標・実績
クレハの廃棄物ゼロエミ率*目標
- 2025年度に廃棄物ゼロエミ率1.5%を達成
- 2030年度においても廃棄物ゼロエミ率1.5%を維持
- * 廃棄物ゼロエミ率の定義:産業廃棄物の最終(埋立)処分量÷総発生量(建設工事由来を除く)
実績(クレハ)
廃棄物の再資源化を進めた結果、2023年度の廃棄物ゼロエミ率は5.6%でした。
取り組み事例
廃棄物の再資源化
クレハでは、生産効率の改善、生産ロスの発生抑制などにより、各生産設備から排出される廃棄物の発生抑制に努めています。また、場内の石炭火力発電所より排出される石炭灰量が廃棄物の多数を占めていますが、セメントなどの原料として再資源化処理業者に委託して、再資源化を図っています。その他の廃棄物についても、生産ロス分を再利用した製品の開発、処分方法の検討により再資源化を進めることで最終(埋立)処分量のさらなる削減に努めています。
また、容器包装リサイクル法における再商品化の義務を着実に履行しています。2002年度から、指定法人である公益財団法人日本容器包装リサイクル協会との間で契約を結び、主に紙製容器包装、プラスチック製容器包装の再商品化を委託しています。
廃棄物管理
クレハは、廃棄物に関連する法令遵守と廃棄物の適正管理、適正処分に努めています。
ISO 14001環境マネジメントシステムを活用し、従業員への教育、意識向上を図るとともに、計画的に廃棄物置場の適正管理と保管状況の確認を行っています。また、再資源化委託先や廃棄物委託処理先についても定期的に現地確認を行い、管理や処理の状況を監視しています。
海洋プラスチック汚染問題、プラスチック資源循環に対する認識と取り組み
GRI 306-2
クレハグループは、「技術」をベースに、役立つ製品・サービスを提供していくと同時に、環境にやさしい生産活動に努めています。当社グループは、海洋プラスチック汚染問題をはじめ、プラスチック資源循環の取り組みを進めています。
当社グループの基本的な認識
プラスチック製品・素材を製造、販売する当社グループは、海洋プラスチック汚染問題、プラスチック資源循環に対して、以下の基本的な認識をもっています。
プラスチックは、さまざまな場で利用されており、その特徴的な機能を有効活用することで、エネルギー効率の改善や食品ロスの削減などに貢献しています。
一方で、資源循環される割合はいまだに低く、また、不適正な取り扱いにより海洋へのプラスチックごみの流出があるなど、環境汚染の問題が発生しています。
現在、世界全体の取り組みとして、
①プラスチック資源循環体制の構築
②海洋プラスチックごみによる汚染の防止
が進められており、当社グループもこの問題に積極的に取り組む必要があると考えています。
当社グループの取り組み
当社グループは、企業としての責任を果たすため、これらの問題や課題に対して、以下のような取り組みを進めています。
3R(スリーアール)の推進
(発生抑制:Reduce、再使用:Reuse、再生利用:Recycle)
- 製造過程で発生するロスの削減や再使用、再生利用用途の検討推進
- リサイクル技術や熱回収などによる環境ビジネスの推進
製品設計・開発における対応
- 家庭でのごみ削減・分別廃棄のしやすさも考慮した製品設計
- 機能を保ったまま、使用する原材料を削減する取り組みの推進
- PGA樹脂製プラグのような生分解性プラスチック製品*の開発
ポイ捨て防止や海洋流出防止の推進
- 製品への廃棄に関する適切な表示による消費者啓発
- 製造過程におけるプラスチック廃棄物などの水域への漏えい防止
- 自治体、地域などとともに、ポイ捨て・不法投棄撲滅の推進
- 各事業所周辺や近隣地域の清掃活動の推進
これからも国際社会や国の方針・計画に沿って、業界団体とともに当社もこの問題に真摯に対応し、企業としての責任を果たしていきます。
- * PGA「Kuredux」は、欧州、日本で生分解性プラスチックとしての認証を受けています。
プラスチック廃棄物排出の削減目標(プラスチック資源循環法)
GRI 306-3
2022年4月施行のプラスチック資源循環法*に基づき、プラスチック使用製品産業廃棄物などの排出事業者として、積極的に排出の抑制・再資源化に努めるとともに、それらに関する情報開示を行っています。また、社内意識向上のため、プラスチック資源循環法に関する社内教育を継続実施しています。
- * プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律