労働安全・保安防災・物流安全

GRI 403-7

「安全」は製造業にとって最も重要な基盤です。クレハグループでは、人身事故の発生ゼロを目指して、安全衛生委員会、主管部門および各職場がそれぞれの役割をもって各種安全活動を展開しています。また、それを支える“人”の教育にも力を入れています。
また、化学関連企業として、危険物・高圧ガス・毒劇物などを日常的に取り扱っていることから、保安防災は当社グループの最も重要な責務と考え、設備管理および運転管理を徹底して行っています。地域の安全・安心、そして信頼維持を目指し、各種法令の遵守にとどまらず、自主的な管理基準の設定や設備の予防保全にも積極的に取り組んでいます。

方針

当社グループは、レスポンシブル・ケア方針に以下を掲げ、労働安全衛生・保安防災に取り組んでいます。

  • 地球環境に配慮し、安全な操業をします
    私達は、事業活動において地球環境の保全に配慮し、操業においては従業員や市民の安全と健康を守り、事故、災害、公害を起こさないよう努力します。

マネジメント体制

労働安全衛生マネジメントシステム

GRI 403-1, GRI 403-8

クレハグループでは、クレハおよびグループ各社が、お客様、地域社会、従業員に対し、事業活動によって不利益が生まれないよう、品質、環境、労働安全の各マネジメントシステムを導入し、体系的なアプローチをしています。労働安全衛生についてはISO 45001の導入を積極的に推進し、「労働災害ゼロ」を目指した安全衛生活動を行っています。従業員は一人ひとりが常に「絶対に事故を起こさない」「元気で家に帰る」という意識をもち、「省略行動を撲滅」し「決められたルール、約束をきちんと守る」という基本を徹底しています。また、「安全」を継続していくために、設備や機器を適切に更新しています。

安全衛生委員会・衛生委員会

GRI 403-4

クレハでは、労働安全衛生法に基づき本社に衛生委員会 、各事業所には安全衛生委員会を設置し、労使が一体となって、各事業所の課題に応じた取り組みを推進しています。各委員会では、職場環境の改善、事故防止、健康管理などの審議が毎月1回行われています。議事録は社内のオンラインシステムに掲載し、従業員に開示しています。

グループ全体での安全活動の推進

GRI 403-2

「クレハグループRC協議会」を設置し、その活動の一環としてグループ一丸となった安全活動を推進しています。毎年2回開催している会議では、グループ各社の安全推進活動の事例や事故の傾向などの分析結果を共有しています。また、類似事故防止を目的とし、グループ内で事故の情報を速やかに共有しています。

目標・実績

GRI 403-9, SASB RT-CH-540a.1

KPI 対象範囲 2019年
実績
2020年
実績
2021年
実績
2022年
実績
2023年
実績
2025年
目標
労働災害度数率(総労働時間100万時間あたりの休業災害死傷者数) クレハ いわき
事業所
1.73 0.55 2.30 1.54 0.53 0
樹脂加工事業所 0 1.72 0 1.91 2.92 0
労働災害強度率(総労働時間1,000時間あたりの労働損失日数) クレハ いわき
事業所
0.03 0.002 0.01 0.00 0.00 0
樹脂加工事業所 0.00 0.01 0.00 0.00 0.00 0
KPI 対象範囲 2023年度実績 2025年度目標
重大設備事故件数(消防庁が定める石災法上の定義による事故) クレハ 2 0

グループ会社のKPIは現在検討中です。

取り組み事例

労働安全衛生の啓発活動

GRI 403-4, GRI 403-5

毎年7月の全国安全週間に、クレハグループ各拠点で安全週間の要綱に沿って活動を展開しています。いわき事業所では、事業所幹部によるパトロールや安全大会の取り組みを通じて安全対策の状況や意識向上を図っています。
同じく毎年10月に行われる全国労働衛生週間でも衛生週間の要綱に沿った活動を展開するほか、衛生管理や健康に関する活動や講演会などを実施しています。

職場における化学物質リスクアセスメント

GRI 403-2, 403-10, SASB RT-CH-320a.2

クレハグループでは従業員の健康を守るため、化学物質のリスクアセスメントを積極的に実施しています。リスクが高いと判定された作業については、化学物質管理者および保護具着用管理責任者が主導しリスク低減措置を講じています。

技能研修センター

GRI 403-5

いわき事業所では、2005年11月に技能研修センターを開所し、作業中に発生する危険を疑似体感することによって、安全感性を高め安全を意識した作業を習得する講習を実施しています。
2023年度は、協力会社従業員への教育を前年度より継続的に実施し、10月末までに380名が受講しました。また、繰り返し教育として監督者向けの教育(2回目)を2024年2月より開始しました。
そのほかに、危険感受性を高めるアイテムとしてVR災害体感システムを導入し体感メニューに加えました。

労働安全衛生法改正への対応

化学物質による労働災害を防止するため、労働安全衛生規則等の一部が改正されました。リスクアセスメントが義務付けられている化学物質の製造および取り扱いを行う事業場では1名以上の化学物質管理者の選任が義務化されました。クレハでは取り扱い職場ごとに化学物質管理者を選任し、きめ細かな対応をしています。

いわき事業所における保安防災

いわき事業所では毎年、大規模災害や事故を想定した総合防災訓練を実施しています。また、発災時の連絡などの初動活動、設備や取り扱い物質に応じ、災害の鎮圧活動能力向上を目的とした個別の訓練を継続的に実施しています。加えて、近年激甚化している自然災害に備えて、大雨や強風に対する運転基準の設定や設備健全性の確認、飛来物への対応や従業員の安全確保などについて見直しをしています。

樹脂加工事業所における保安防災

樹脂加工事業所では、茨城地区と柏原地区それぞれで、生産・技術本部長出席のもと、総合防災訓練を実施しました。
茨城地区、柏原地区ともに、休日の限られた人員で安全かつ迅速に被害を最小限にする想定で訓練を実施しました。さまざまな状況を想定した訓練を通して対応能力を身に付けて、従業員の安全を守りながら減災を行う必要性を改めて確認し、防災意識の向上と対応能力向上を図る機会としました。

物流の保安防災

GRI 403-5

クレハは、物流に関わるグループ各社と協働して、貨物輸送時の保安防災に向けて訓練や教育を実施し、手順書や連絡体制の確認・徹底に取り組んでいます。化学品の輸送を行うクレハ運輸では、毎月開催している乗務員向けの安全会議で、発生した物流事故に基づく注意喚起や取引先設備の変更点の周知のほか、実車両や薬品を使った体験型訓練を実施し、乗務員の安全意識の向上と事故の撲滅を図っています。

物流事故の撲滅対策

GRI 403-5, SASB RT-CH-540a.2

クレハは、製品に関わる貨物輸送の際に発生する物流事故の撲滅に取り組んでいます。クレハ運輸の輸送協力会社を含めた乗務員に対する継続的な安全教育、車両の下回り点検の強化などにより、重大事故につながる可能性がある漏えいなどの事故の防止はもとより、誤納入やその他あらゆる物流事故の撲滅を進めています。当社の2023年度の物流事故件数は、68件でした。

「ホワイト物流」推進運動の自主行動宣言

クレハは、国土交通省・経済産業省・農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、2019年9月18日に「ホワイト物流」推進運動事務局に自主行動宣言を提出しています。