リスク・マネジメント

クレハグループは、クレハグループリスク・マネジメント基本方針に従って、経営に悪影響を及ぼすリスクの分析・評価を行い、重要度の高いリスクへの対応策を検討・実施するとともに、そのプロセスにおけるPDCAを循環させる体制を構築し、リスク・マネジメントを推進しています。

方針

クレハグループは、取締役会の承認のもと、以下の基本方針を定めてリスク・マネジメントを行っています。

クレハグループリスク・マネジメント基本方針

クレハグループリスク・マネジメント基本方針

  • 「クレハグループの経営に悪影響を及ぼすリスクを把握し、その顕在化を未然に防止し、また、リスクが顕在化した場合の影響を軽減して許容範囲に収めるよう、必要な対応策を予め講じ、備えておくこと」をクレハグループリスク・マネジメント基本方針とする。

マネジメント体制

GRI 2-24

クレハグループは、クレハのサステナビリティ推進委員会の下部組織であるリスク・マネジメント部会の統括のもと、事業活動にともなうリスクの分類に応じて、関連部署やグループ会社、部会が主管となり、個別のリスクに直接対応する実施部署と連携してリスク・マネジメントを行う体制をとっています。
リスク・マネジメント部会は、リスク・マネジメントのシステムを構築し、実施プロセスの検証を行うとともに、グループ経営の視点から重要リスク認識の抜け・漏れの防止を図っています。

リスク・マネジメントの実施プロセス

GRI 2-25

クレハおよびクレハグループ各社は、以下のプロセスでリスク・マネジメントを行っています。

  1. リスクの特定
    主管部署は、リスク分類ごとに個別リスク(具体的なリスクの内容)を設定し、その分析(重要度の判定)と評価(対応の優先度の判定)を行います。
  2. リスクの分析・評価
    リスク・マネジメント部会、グループ各社におけるリスク・マネジメント委員会および事務局は、個別リスクの分析および評価の結果についてレビューを行い、レビュー結果に応じて必要な指示などを主管部署に与えます。
  3. リスクへの対応策のモニタリング
    主管部署は、「重要リスク」と判断された個別リスクへの対応策について実施状況のモニタリングを行い、モニタリング結果に応じて必要な指示などを実施部署に与えます。
  4. モニタリング結果の報告・検証
    主管部署、グループ各社におけるリスク・マネジメント委員会および事務局は、モニタリング結果をリスク・マネジメント部会に報告します。報告は部会からサステナビリティ推進委員会に上げられ、委員会はモニタリング結果の検証を行い、検証結果に応じて必要な指示などを主管部署に与えます。

なお、上記の遂行状況は、サステナビリティ推進委員会を通じて、経営会議および取締役会に報告されます。また、主な「重要リスク」への対応状況については、適時・適切に情報開示を行っています。

目標・実績

目標
クレハグループにおける事業継続および損益に重大な影響を与える顕在化リスクをゼロにする。

実績(クレハグループ)
2023年度は、クレハグループの事業継続に影響を及ぼすリスクは発生しなかったものの、PVDF事業の主力であるEV用途に関しては、当社の主要販売地域である欧州市場の低迷に加え、世界最大のマーケットである中国市場でのLFP電池の台頭により、2022年度に比べて大幅な減益となりました。

取り組み事例

重要なリスク

事業継続計画(BCP)

クレハは2014年に、地震をはじめとする大規模災害に備えた対策を整備・強化し、事業継続計画(BCP)を策定しました。2019年度には、BCPの実効性向上に向けて、近年被害が激甚化している風水害を想定に加えたBCPの更新を実施しました。今後も刻々と変化する自然災害の想定を継続的に見直すことにより、BCPの定着と内容の一層の充実を図っていきます。
また、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行をきっかけに、感染症対策のガイドラインを改定し、本社、事業所ごとの特性や実情に合わせた新型コロナウイルス感染症対策マニュアルを作成し、事業継続を確保しています。

海外危機管理体制の整備

クレハおよび当社グループでは、海外で発生が予想される緊急事態に際し、海外駐在員、出張者の安全確保および被害を最小限にとどめることを目的とした「海外駐在員および出張者の危機管理マニュアル」を策定するとともに、海外滞在時の医療面でのリスクに備えて、危機管理会社の医療アシスタンスサービスを導入しています。
さらに、危機管理情報の共有やタイムリーな注意喚起、渡航規制の指示などの緊急時対応を通じて、海外駐在員、出張者をサポートしています。